屋根カバー工法・屋根葺き替え工事
こんにちは!リペイント匠 代表久保です。 このページでは屋根リフォームにのみ特化した内容となっております。
最近では塗装だけでは補えない屋根や塗装することさえ不可能な屋根材が出てきています。そういった屋根に関する専門的な知識を情報発信する事が、失敗しない屋根リフォームへと繋がるのではないかと思い、この屋根リフォーム事業部を立ち上げました。
⑴なぜ塗装ができないのか?
「塗装ができない屋根」どういった屋根を思い浮かべますか?
年数が古くボロボロに傷んだ屋根、台風などの被害に遭い破損してしまった屋根、雨漏りで腐食してしまった屋根。
一般的にはこうした上記に当てはまる屋根が「塗装ができない屋根」として思い浮かべられる事と思います。
ですが、実際はパッと見ただけでは分からない屋根が「塗装ができない屋根」として存在しているのです。
塗装ができない理由として大きく2つに分かれます。
まず1つ目「以前に不適切な屋根塗装を行った屋根」
屋根塗装を行う屋根材として最も多い屋根がカラーベスト屋根と呼ばれる薄型スレート屋根材です。
カラーベスト屋根を塗装する際は、きちんとした下地の洗浄や縁切りといって屋根の上下重ね部に隙間を設ける工程が必要となります。
そうした必要な手順を踏まずに屋根塗装を行ったり、屋根材の継ぎ目全てにコーキングしてあったりすると、再度塗装を行うことが難しくなると同時に建物に対しても結露を誘発させる等の影響が生じてきます。
塗装しようと思えば出来るのですが、上のような結果になります・・・
これらが「以前に不適切な屋根塗装を行った屋根」に分類されます。
2つ目「屋根材自体の製品問題」
塗装がなぜ行えないのか?それは屋根材に細かなひび割れや表面の剥がれなど屋根材自体に影響を及ぼしているからです。つまりどれだけ良い塗料を使っても、下地洗浄や塗装の下地をきっちり行っても数年で屋根材が剥がれたりしてしまうからです。
カラーベスト屋根に当てはまる事なのですが、カラーベストとは旧クボタの商品名となります。文字通りなのですが「色のついたアスベスト」屋根となります。皆様ご存じのようにアスベストは人体に多大な影響を及ぼすことから、2008年以降は製造や輸入、使用と全面禁止になりました。
カラーベスト屋根にはアスベストが含まれないようになりました。そうしたアスベストを屋根材に含まないといった禁止令が出る前から、アスベスト抜きのカラーベスト屋根材は製造されていたのですが、アスベスト入りの屋根材ではなく、本来アスベストが含まれていない屋根材に「層間剝離」といった屋根材の表面がボロボロに剥がれてしまう現象が起きているのです。
製品問題の代表的な屋根材
代表的な屋根材に「パミール」と呼ばれるカラーベスト屋根が含まれます。つまり「屋根材自体の製品問題」となります。
まとめますと「以前に不適切な屋根塗装を行った屋根」と「屋根材自体の製品問題」を抱えている屋根材は「塗装ができない屋根」という事になります。
あと1つ塗装できない屋根に付け加えるならば寿命を迎えた屋根材になります。
⑵その他、経年劣化で脆くなる屋根材の一覧表
次にアスベストの入っていない、経年劣化で脆くなる屋根材というものをご紹介していきたいと思います。当てはまる方は屋根塗装以外にも屋根カバー工法もご検討されてみてはいかがでしょうか?
「パミール」1996年〜2008年まで販売
層間剥離という現象で屋根材の表面が剥がれてきますので、屋根塗装をしても意味はありません。
「かわらU」1990年〜2007年まで販売
層間剥離やひび割れ、割れなど経年劣化により脆くなってきます。1990年までの材料にはアスベストが入っています。
「レサス」1999年〜2006年9月まで販売
経年劣化により、ひび割れ、破片の落下などが多い屋根材になります。
「アーバニーグラッサ」2001年〜2005年まで販売
経年劣化によりひび割れた破片の落下が多く、縁切りが出来ないため屋根塗装した後に雨漏りのトラブルの多い屋根材です。
「ザルフグラッサ」2001年〜2005年まで販売
経年劣化により横のひび割れが多いのが特徴的な屋根材です。
「ザルフ」2001年〜2006年まで販売
経年劣化でクラックが起きやすい屋根材です。
「コロニアルNEO」2001年〜現在も販売中
経年劣化によりひび割れ、破片の落下が非常に多い屋根材になります。屋根塗装はおすすめしていません。
「グリシェイドNEO」2001年〜販売中
こちらもコロニアルNEOとよく似た症状のでる屋根材になります。
「シルバス」2001年〜2003年まで販売
アーバニーと同じ様に経年劣化でひび割れや破片が落下したりする屋根材になります。
いかがだったでしょうか?
新築時の図面を見て当てはまるものがあれば屋根塗装をする際には屋根材の事もしっかりと理解している専門業者に無料診断してもらいましょう。
図面に記載が無い場合などで、気になるときはお気軽にお問い合わせください。
⑶塗装店が屋根工事を行う理由
私たちは塗装店であると同時に屋根工事店でもあります。塗装店として日々営業する中で屋根工事店としての経験や実績を備えてきたというのが事実です。
下請け時代の話になるのですが、「これはどう見ても塗装しても無理だな。長持ちさせるのは難しい」という様な状態の屋根でも元請け業者の指示により塗装を行ってきた経験があります。
絶対に塗ってはいけない。という訳ではありませんし、その背景には依頼されたお客様自身も塗装を求められていたかもしれないので、「この状態では長持ちさせる事が難しい」です。というのが、本来ですが、
しかしお客様と元請け業者様で工事契約を結んでいますし、下請け業者として強く提案することもできず、また工事が決まってから私たちの方に発注が入るので、お客様に対しても「塗装をしても、あまり良くならないですよ」なんて事はとても言えませんでした。
工事現場により右往左往していました
ですが内心、私自身にとっても気持ちの良く作業できないですし、いくつかの元請け業者によって施工の指示も違うので、一緒に連れて回っている職人にも私の言葉が日々変わる事から、作業中も右往左往していたように今では思います。
それから数十年と過ぎ、私たちが元請けとして、お客様と直接繋がりを持つようになってからは、「塗れない屋根」「塗る事に適していない屋根」が出てきたときは、迷わずに塗装ではない、屋根カバー工法や屋根葺き替え工事、時には屋根の修理までと行ってきました。
一番大切な屋根は普段は見えない所
1つビックリした事があります。最初のお電話を頂きお客様のもとへお伺いした時の話です。いつものように屋根を点検していると、本来必要な釘の本数が極端に少なかったことです。つまり屋根工事店でも誤魔化した施工をしている手抜き業者がいたことです。どの業種業態でも起こることなのかもしれませんが、屋根は塗装とは違い大切な住まい、家族を守るために必要な部分です。
そこに手抜き工事があったとしたならば、強風や台風などの影響で屋根材が飛ばされるリスクが格段と高くなります。
手抜き工事を行う背景として「屋根は高い場所だから依頼主には分からないだろう」といった、本来の屋根工事店として果たすべき役目を忘れているような安易な考えだと思うのです。
またこうした手抜き工事は頻繁に起きている事ではないと信じたい部分もある半面、私たちが手抜き工事を止める事も不可能です。
私たちを必要としてくれるお客様のために屋根工事店としてスキルを高め続ける事はもちろん。塗装店だけとしてではなく屋根の専門店である事も、もっと広く認知して頂きたく屋根専門事業部を立ち上げました。