痛んだ屋根を蘇らせ雨や風、紫外線から守ります。
屋根はふだん目につかない場所ですので、割れていたり、釘が外れていたりしても気づかない場所です。長い年月放っておいたら雨漏りや紫外線、建物内部を痛めるきっかけとなります。手遅れになる前に定期的なメンテナンスをおすすめいたします。
目次
ビフォー | アフター |
雨や日差しで痛んだ屋根は、雨漏りの原因となり建物を劣化させる原因に…塗装することで見た目もきれいになり、屋根を雨や紫外線から守ります。
屋根塗装のタイミング
屋根塗装のタイミングとしては、主に経年劣化での色あせ・汚れ、雨漏りなどが良くご依頼いただくタイミングです。
上にも書いたように屋根はふだん目につかない場所なので、訪問販売の方などが「お宅の屋根大変なことになっていますよ」など不安を煽るような営業をしてきます。そんな時でも焦らず落ち着いて専門店のお話を聞いて対処方法を考えることがベストだと思います。
屋根の種類
カラーベスト | セメント系の瓦 | 金属屋根 |
カラーベスト、コロニアルなどと呼ばれるその名の通り、色付きのアスベストです。厚さ5ミリほどで薄く軽く耐久年数はメンテナンスを定期的にすれば長持ちする屋根です。
ですが、塗り替えなどのメンテナンスをしなければ劣化していきますので、外壁塗装と同じタイミングで屋根も塗装されるのが良いかと思います |
セメント系の瓦とは、セメントと砂で作られた瓦です。
瓦自体には、防水機能がほとんどないので塗装が必要です。オシャレな洋風の家に使われることが多い瓦です。 |
倉庫や車庫などに使われることの多い折版屋根です。
特徴としてはボルト部分から錆びはじめ劣化することが多いので、塗り替えの際にはボルトを保護する材料ボルトキャップを使うことをおすすめいたします。 |
塗装できない屋根
木造住宅で最も多く使用されている屋根材と言えばスレート瓦(カラーベスト・コロニアル)屋根です。
スレート瓦は、外壁塗装をするタイミングで一緒に塗装することが多いです。
しかし、中にはスレート瓦と似ているけど塗装ができない屋根材もあることをご存じでしたか?
一昔スレート屋根材にはアスベスト使用することによって強度を保っておりましたが、それ以降の建築資材にアスベストの使用が禁止され、アスベストを含まない新たなスレート屋根材が各メーカーより販売されるようになりました。
塗装できないパミールについて
初期の頃に製造されたスレート屋根材を使われたお宅は、どこのメーカーのものを使われているかにもよりますが、痛み(ひび割れなど)が多く見受けられます。劣化状況にもよりますが、通常数か所程度のひび割れなどはコーキングなどで補修をきちんと行えば十分塗装は可能です。しかし、塗装が不可能な場合もあります。
その代表格がニチハ㈱の「パミール」というスレート屋根材です。(1996年~2008年まで販売)この「パミール」という屋根材は、通常のひび割れではなく層間剥離という現象を引き起こします。層間剥離とは、ミルフィーユ状に何層にもなっている屋根材の表面がボロボロと剥がれてくる状態を言います。
メーカーであるニチハでは製品上の問題はなく、あくまでも「経年劣化」だという見解だそうです。
このような状態では屋根の塗装を行うことは本来不可能ですが、こうした知識を知らなかったり、知っていてもお客さまに屋根塗装を提案したり、実際に塗装を行ってしまう業者も中にはいます。
カラーベスト屋根を塗装する場合、本来コーキングは必要としません。
ですがヒビ割れ部にコーキングをベタベタに塗ったりすることで、カラーベスト屋根に流れ落ちる雨が正しく排出されず屋根下地を痛めてしまったり、棟板金とカラーベスト屋根に隙間にコーキングを充填することで棟板金が取り付けられる木下地の腐食を増進させるなど、屋根塗装を行ったのに逆に屋根を痛めてしまうといったケースです。
そのような状態ですと、現実的な所、屋根を塗りなおしても元通りにすることは不可能です。
このようなカラーベスト屋根というのは年々増えてきているように私自身感じています。そうしたことから、いまでは屋根塗装を検討される方はご自身でも屋根カバー工法について調べられていることが多く「屋根カバー工法も匠さんはされていますか?」と尋ねられるケースも増えてきております。
こちらはカバー工法で施工した画像です。
カバー工法をすればメーカー30年保証という屋根材も数多くありますので、30年以上はメンテナンス不要になります。
コロニアルに新たに葺き替える場合は、撤去した古いコロニアルの処分費と余計なコストがかかるのと十年程度経過後に塗替えが必要になります。
そう言った意味でも、何回もメンテナンスしたくないという方には、カバー工法をおすすめいたします。
自宅の屋根材を確認する方法
- 建築時の図面を確認してみる(記載がない場合もあります)
- 屋根に詳しい専門の業者さんに診てもらう
- 建てたメーカーさんに聞いてみる
いずれにしましても、屋根は基本的にはなかなかご自分では確認がしにくいところなので、ご心配なようでしたら屋根に詳しい専門的な業者さんに診てもらうことをおすすめいたします。
屋根塗装の工程
屋根の塗装って、どんな作業がある?
屋根の塗装を頼んでも、実際現場でどのような作業が行われているかわかりませんよね。その工程をお客さまが屋根に登ってご覧になるのは危険過ぎます。ここでは、画像や図を用いて、基本的な工程の流れをご案内します。
01まずは高圧洗浄
屋根材の割れや雨漏りなど不具合がないかチェックした後、高圧洗浄で長年の汚れをきれいに洗浄いたします。
洗った後は、屋根はもちろん、足場のシートなどもきれいに洗い流します。そうしませんと、足場のシートに跳ねた汚れが乾くと、塗装最中の屋根に汚れが飛んでくるからです。
02下塗り
しっかりと乾燥させてから、屋根の下塗りをしていきます。写真のようなモニエル瓦ですと専用の下塗り材を塗装していきます。また下地の傷み具合で、塗料の吸い込みが激しいような屋根なら造膜系の下塗りを使うと仕上がりがきれいになります。
03縁切り
次は縁切りといい、屋根材との隙間の通気をよくする工程です。基本カラーベストに使います。
1枚の屋根材にたいして、タスペーサーという縁切り材1個ですが、ガイナのような膜厚が付く塗料ですと、1個では隙間が埋まってしまうこともありますので、1枚の屋根材にたいして2個入れるのがおすすめです。
04中塗り・上塗り
後は中塗り・上塗りをかけて完成です。
塗装のポイントは、しっかりと下塗りがされており、
- しっとりとした感じになってから中塗りをする
- 比較的痛みが少なく、縁切りなどが必要な屋根にはしっかりする。
この2点がポイントかと思います。
また『こういう場合はどうなの?』など詳しく知りたい方はお気軽にご相談してください。