塗装できないおすすめできない屋根材とは?四日市市のプロが解説
多くの戸建て住宅で採用されているスレート屋根の中には『塗装できない』、あるいは『おすすめできない』素材のものがあるのをご存知でしょうか。
もちろん、屋根塗装することによって美観は向上するのですが、塗料の機能を発揮して屋根材の耐久性を維持することができないのです。
そのため、塗装して一時的には綺麗になったとしても、すぐに剥離を引き起こしてしまい、もとのように劣化症状が現れるようになるのです。
ただ、そのような塗装をおすすめできない屋根材でも、調査に伺うと塗装してあるようなケースもあるため、経験やスキル豊富な塗装業者を選んでおくことも重要です。
そこでここでは、塗装できない屋根について、その種類や対処法なども踏まえながら、三重県津市、鈴鹿市、松阪市、亀山市、名張市、伊賀市の外壁塗装の職人直営店が詳しくお伝えしていきましょう。
目次
塗装できない、塗装をおすすめできない屋根材とは
屋根材の中には、ひび割れや剥がれ、欠けなどの損傷が起きやすい製品があり、それらに対する塗装については、おすすめしておりません。
仮に塗装して一時的に屋根材がきれいになったとしても、すぐにひび割れや剥がれなどの損傷が起きてしまったのであれば全く意味がないでしょう。
ではなぜそのような屋根材が存在するのでしょうか。
どのように補修すればいいのかも含めて、詳しくご紹介していきましょう。
なぜ塗装できない屋根があるの?
多くの戸建住宅で採用されているスレート屋根は、経年によって色褪せや汚れが目立つようになってきますので、塗装によってメンテナンスを行います。
ただスレート屋根でも、塗装できない、塗装をおすすめしないケースがあります。
それは大きく次の2点が考えられます。
- 劣化や損傷が激しい
- 耐久性が低く、塗装できない屋根材
スレート屋根は、先にもお伝えしている通り、色褪せや汚れ、苔、カビなどが目立つようになってきた場合には、屋根塗装に取り組めば綺麗になります。
ただ、屋根材そのものに大きくひび割れや欠けが生じているような状況や、屋根材の下地まで腐食が進んでいるような状況では、塗装だけでは屋根の耐久性を維持することはできません。
また、スレート屋根の中には、耐久性がとても低く『塗装できない屋根材』も存在します。
剥がれやひび割れが発生しやすく、塗装してもすぐにミルフィーユのように剥がれてきたり、塗装工事で屋根に上がるとすぐに割れてしまったりするようなものでは、塗装する意味がないのです。
なぜそのような耐久性の低いスレート屋根が存在するのかと言うと、2000年以降にアスベストが禁止されたことにあります。
アスベストはとても強度が強いため、かつては屋根材に使用されていました。
しかしアスベストに健康被害を及ぼす可能性が指摘されてからは、全面的に使用が禁止され、それまでのスレート屋根も急遽新しい材質に変更しなければならなくなったのです。
初期のノンアスベスト屋根材は、現在のスレート屋根材と比較するとかなり強度が低く、屋根材を歩くたびにパキパキ割れてしまうほど脆く、塗装してメンテナンスしたとしても、自然の劣化を食い止めることができないのです。
ただし、あくまでノンアスベスト屋根材の初期のものが対象となっており、その後に販売されるようになった改良版については問題がありません。
そのようなスレート屋根材の存在を知らない塗装業者が、知らずに勧めて塗装してしまうケースがありますが、経験豊富な塗装業者であれば絶対におすすめしないのです。
塗装できない・おすすめできない屋根材はどうすればいい
- 屋根のカバー工法
- 屋根の葺き替え工法
上記でご説明したような、塗装できない、塗装がおすすめできない屋根材に対しては、屋根のカバー工法、もしくは葺き替えによるメンテナンスをおすすめすることになります。
屋根のカバー工法、葺き替え工法とは、屋根のメンテナンス方法であり、屋根の状況や状態によって適切な方法を採用することになります。
屋根のカバー工法とは、既存の屋根の上から新しい屋根を覆い被せてしまうという施工方法で、解体作業が必要ありませんから短期間で施工ができるメリットがあります。
ただし、下地まで損傷が激しい場合や、重量によって耐震性に影響を及ぼすような場合であれば、不向きなケースもあります。
屋根の葺き替え工法とは、屋根材を丸ごと新しいものに葺き替えてしまうというもので、下地まで劣化しているような場合に採用される工法となっています。
屋根材が新しくなりますから、耐震性に影響を及ぼすようなことはありませんが、施工期間が長くなり、コスト負担が大きくなる傾向にあります。
屋根材の『差し替え』で補修できる?
スレート屋根の補修は、本来であればひび割れや欠けなど補修が必要な部分だけを交換すれば済みます。
部分的な交換だけで済めば、費用の負担もかなり軽減できます。
ただし、冒頭からお伝えしているような、塗装できない、塗装がおすすめできない屋根材に対しては、部分的に屋根材を差し替えるだけでメンテナンスできないものがほとんどです。
先ほどもお伝えしている通り、
- 劣化や損傷が激しい
- 耐久性が低く、塗装できない屋根材
といった状況である場合には、工事の際に他の屋根材まで損傷させてしまう可能性があるため、部分的な屋根材の差し替えができません。
また、部分的に新しいものに差し替えたとしても、他の箇所がどんどん劣化が進み損傷し始めるため、どのみち屋根のカバー工法や葺き替え工法が必要になると考えられます。
そのようなことから、屋根の塗装やメンテナンスを考えている方であれば、まずは屋根塗装の経験豊富な塗装業者に相談することをおすすめします。
塗装できない、塗装をおすすめできない屋根材の種類
冒頭から、『耐久性が低く、塗装できない屋根材』が存在するとお伝えしてきましたが、実際にどの製品なのかご紹介しましょう。
それまで屋根材の耐久性を高めるために活用されてきたアスベストが、健康被害のために使用できなくなったことによって、その時期に製造販売された屋根材には耐久性の低いものがあります。
屋根材の販売時期においては、1990年代後半から2008年にかけて製造されていたものとなっています。
ここではその一部についてご紹介いたしますが、詳しくは塗装業者に確認して、適切なメンテナンスに取り組むようにしましょう。
ニチハ/パミール
パミールは、1996年~2008年にかけてニチハによって製造されていた屋根材で、現在は製造中止されています。
5年から7年程度で剥がれが見られるようになり、10年が経過する頃にはかなり大きな層状剥離や形状崩れ、脱落などが見られるようになります。
そのようなことから、パミールを活用した屋根であれば、雨水が染み込んで雨漏りや内部の腐食の原因になりますから速やかにメンテナンスに取り組むことが重要です。
旧松下電工/レサス・シルバス
レサスは、旧松下電工が2006年まで製造していた屋根材で、割れや欠けなどといった不具合がよく見られるとして知られています。
シルバスは、2001年から2003年にかけて製造販売されていた建材で、強度がかなり弱いため3年足らずで販売は終了となっています。
どちらの建材についても割れや欠けといった不具合が多い印象で、屋根に人が上がると割れてしまうことが予想できます。
レサス・シルバスの販売当時、アスベストの規制が始まり、耐久性を高めるためのアスベストが従来の1/10しか使えなくなってしまったため、割れやすい屋根材になってしまったのでしょう。
旧クボタ/アーバニーグラッサ・コロニアルNEO・ザルフグラッサ
アーバニーグラッサ・コロニアルNEO・ザルフグラッサは、旧クボタが2001年ごろから2004年ごろにかけて製造販売していた屋根材です。
ほかの屋根材と同様にひび割れや欠けによる損傷が多く、日当たりの良い個所であれば、色褪せや変色も著しいという報告もあります。
そのようなことから、損傷が発生していなくても、カビや苔、藻が発生しているようなケースも多く見られます。
旧積水屋根システム/セキスイかわらU
セキスイかわらUは、積水グループの住宅において長く活用されていた屋根材で、1990年代から2007年ごろにかけて提供されていました。
もともとセキスイかわらUは、1970年頃から製造販売されてきた屋根材で、多くの戸建て住宅に活用されてきた人気の建材となっています。
しかし1990年代に入り、アスベストの健康被害が社会問題になったのをきっかけに、アスベストを取り除いた屋根材として再販売されることになりました。
ただ、それまでに販売していた同製品と比較して、はるかに強度が弱くもろい屋根材として大きな問題となり、2007年に製造を中止することになるのです。
積水グループには、積水ハウスとセキスイハイムの二種類のブランドがありますが、製造販売を手がけていた積水屋根システムはセキスイハイムのブランドとなります。
しかしセキスイハイムは主にフラットな陸屋根の建物を手掛けていたことから、セキスイハイムだからといってセキスイかわらUが採用されているかというとそうではありません。
屋根材の補修方法『屋根カバー工法』『葺き替え工法』について
冒頭からもお伝えしている通り、
- 劣化や損傷が激しい
- 耐久性が低く、塗装できない屋根材
については、塗装できない、もしくは塗装がおすすめできない状態となっているため、補修においては『屋根カバー工法』『葺き替え工法』が適切であると考えられます。
では、屋根カバー工法・葺き替え工法がどのようなメンテナンス方法なのか詳しくご紹介していきましょう。
屋根カバー工法とは
屋根カバー工法とは、そのままの状態で新しい屋根材を被せ、既存の屋根材を守る施工法のことを指しています。
塗装できないような屋根材の場合、多くのケースで採用される施工法であり、屋根材を解体することなく新しい屋根材を設置できますから、コストも抑えられ手軽に取り組むことができます。
屋根カバー工法に採用される屋根材は、断熱性に優れているものも多くあることから、エアコン効率が良くなるといったメリットも実感できます。
また次にご紹介する葺き替え工法の場合であれば、新しい屋根材に葺き変えることになりますから、かなり手間がかかり、工事期間も長くなり、コストも高くなる傾向にあります。
ただし、既存の屋根に設置するということから、さらに屋根に対して重量をかけてしまうことになり、ケースによっては設置できないような可能性もあります。
葺き替え工法とは
屋根の葺き替え工法とは、既存の屋根を解体して撤去し、新しい屋根に葺き替えてしまう工事になります。
屋根材だけではなく、下地も全て新しくするため、屋根部分の損傷が激しいようなケースにおいて用いられる工法となっています。
冒頭からお伝えしているように、屋根材の損傷が激しい場合には、その箇所から雨水が下地に浸入し、内部が腐食しているようなケースも珍しくありません。
そのような場合には、カバー工法でも十分にメンテナンスしきれないことになりますので、新たな屋根材に葺き替える必要があるのです。
新しい屋根になるために、外観が一新することはもちろんのこと、断熱性や防音性に優れている屋根など、生活においての機能を高めることも可能です。
ただし、屋根カバー工法と比較すると、屋根材を完全に撤去してしまうことから、かなり手間のかかる工事になってしまい、工事期間が長くなり、コストも高くなる傾向にあります。
まとめ
塗装できない、塗装をおすすめできないスレート屋根について、その種類や対処法、補修法、屋根カバー工法や葺き替え工法の情報なども踏まえながら、詳しくご紹介しました。
塗装できない、塗装をおすすめできないスレート屋根には、劣化や損傷が激しく塗装では屋根材の機能を維持できないケースや、耐久性が低く塗装してもすぐに劣化する可能性のあるケースがあります。
特に、2000年ごろに製造販売されていたスレート屋根の中には、それまでは強度を高めるために活用されていたアスベストが使用できなくなり、とても脆い屋根材になってしまったというものがあります。
その一部の製品についてご紹介しましたが、気になる方については経験やスキルの豊富な塗装業者に相談するようにしましょう。
外壁塗装や屋根塗装を検討しているのであれば、地元で経験豊富な塗装業者に相談すれば、適切なアドバイスを受けることができます。
疑問や質問などございましたら、お気軽に、0120-804-902(8:00~20:00)まで「ホームページ見ました」とお問合せしてください。
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