外壁塗装の『ケレン作業』とは?鈴鹿市の塗装業者が徹底解説
外壁塗装には『ケレン作業』という聞きなれない工程があり、その後に行われる塗装作業を施工する上でとても重要な役割を持っています。
というのも、ケレン作業が必要にも関わらずに、そのまま塗装してしまうようなことがあると、仕上がりや耐久性に大きな問題を生じさせてしまう可能性があるからです。
では、ケレン作業とはどのような作業なのでしょうか。
そこでここでは、外壁塗装のケレン作業について、役割や特徴なども踏まえながら、三重県津市、鈴鹿市、松阪市、亀山市、名張市、伊賀市の外壁塗装の職人直営店が詳しくお伝えしていきましょう。
目次
ケレン作業とは?
外壁塗装の見積書を見て『ケレン作業』とは何か、疑問を持ちになった方も多いのではないでしょうか。
ケレン作業とは、塗装作業の前に行われる下地調整のひとつで、塗料をしっかりと定着させるために欠かせない作業です。
もしケレン作業が、いいかげんに行われていたとしたら、どれだけグレードの高い塗料を塗装したとしても、塗料の持つ機能を十分に引き出すことが出来なくなってしまいます。
そこでここでは、ケレン作業とはどのようなものなのか、内容や目的とともに、しない場合に生じる悪影響についてもご紹介しておきましょう。
ケレン作業とは下地調整での作業のひとつ
ケレン作業とは、外壁塗装の工程のひとつで、外壁材に対する下地調整で行われる作業になります。
外壁塗装の工程は、
- 足場設置・防水シートの設置
- 高圧洗浄・養生
- 下地調整(ケレン作業など)
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
といった流れになっています。
工事が始まると、足場の設置、さらには足場に防水シートが設置され、外壁材に対して高圧洗浄が行われて蓄積している汚れを落としていきます。
高圧洗浄では、高圧洗浄機を用いてしっかりと汚れを落としていきますが、ここで落としきれない汚れや、外壁材にみられる劣化や損傷に対しては、『下地調整』によって処理していくことになります。
下地調整は、塗装業者によっては下地補修や下地処理などとも言われますが、いずれも同じ内容となっています。
高圧洗浄では、蓄積している砂埃や排気ガスなどによる化学物質といった汚れはしっかりと落とせますが、錆びや古い塗膜が残っていることも少なくありません。
また、外壁材そのものにひび割れが生じており、そのまま塗装してしまうと不具合を引き起こしてしまう可能性のある状態も珍しくないのです。
そのため、塗装工事に入る前のケレン作業を含む下地調整はとても重要な意味を持つ行程なのです。
ケレン作業の内容や目的
- 錆び落とし
- 外壁材の研磨
ケレン作業は、上記でもお伝えした通り、下地調整で行われる作業のひとつで、具体的には外壁材に付着している錆びを落とすことや、残っている古い塗膜を削ぎ落とす作業を行います。
下地調整の前には、高圧洗浄機によって外壁材の汚れを落としていますが、どうしても落としきれない汚れが付着していることがあり、それらをケレン作業によって落としていくのです。
ケレン作業の目的として、
- 下地を整える
- 塗料の密着性を高める
といった意味を持っています。
『下地を整える』とは、これから施工される塗装作業の仕上がりが良くなるように、外壁材を綺麗にしておくということです。
例えば、古い塗料の塗膜や錆びが残っている状態で、そのまま塗装してしまった場合には、すぐにその箇所から新しい塗膜まで剥がれてしまうようなことが起きてしまいます。
せっかく新しい塗料を塗装するのですから、汚れたままではなく、しっかりと綺麗な状態にしておかねばならないのです。
さらに『塗料の密着性を高める』といった目的も持っています。
金属製の外壁の場合、表面がツルツルしているため、そのまま塗装しても、すぐに剥がれ落ちてしまう可能性があります。
例えば、ガラス面に水性ペンで文字を書いても、手で触れればすぐに落ちてしまいますが、それと同じ原理です。
そのため、表面をアンカーパターンと呼ばれる極わずかな凸凹を付け、塗料の密着性を高めるようにしているのです。
ケレン作業をしないとどうなる?
ケレン作業は、その後の工程である塗装作業に入るためにとても重要な作業であるとお伝えしましたが、もしケレン作業をしないとどうなるのでしょうか。
具体的には、
- 塗料が定着せずにすぐに剥がれや膨れが生じる
- 塗料の機能を十分に引き出せない
- 外壁材の耐久性を衰えさせてしまう
などといったことが考えられます。
ケレン作業しないということは、外壁材に錆びが生じたままである状態や、塗装する状態に整えられていない状態であるということです。
そのまま塗装してしまえば、塗膜の内部で錆びが進行し、その箇所から塗膜が剥がれたり、膨れたりし、ついには剥がれ落ちてしまうでしょう。
一般的に外壁塗装は、5年が経過する頃から少しずつ劣化が始まり、10年が経過する頃には塗り替えのタイミングになると言われます。
しかしケレン作業を行っていないのであれば、最悪の場合、塗装から数年で塗膜に劣化症状が見られるようなことが実際に起きてしまいます。
しっかりと定着させることによって塗料の機能を引き出すことができるのですから、これは当然のことと言えるのではないでしょうか。
知らない間に塗膜が劣化していると、外壁材を守ることができなくなるため、外壁材そのものを劣化や損傷させてしまう可能性が高くなります。
外壁材の耐用年数は、外壁材の種類にもよりますが30年以上、中には50年以上と言われるような建材も存在します。
しかしその耐用年数は、外壁塗装によってコーティングしているからこそ維持出来るものであって、直接紫外線や風雨などの影響を受けるようになれば、当然ながら早期に損傷してしまうことになるのです。
さらにそのまま放置していると、雨漏りをはじめとして、外壁内部を腐食させるリスクが高まり、建物の構造自体にも悪影響を及ぼしてしまうことになります。
ケレン作業の種類と用いられる工具について
ケレン作業にはいくつかの種類があり、『1種ケレン』『2種ケレン』『3種ケレン』『4種ケレン』の4種類によって分けられています。
それぞれに作業内容や施工方法が異なっており、下地の錆びの面積や、古い塗膜の劣化症状や損傷の程度によって、どの種類で施工するのか判断することになります。
ちなみに戸建住宅でのケレン作業の場合には、1種ケレンを採用することはほとんどなく、2種ケレン・3種ケレン・4種ケレンのいずれかの方法が採用されます。
それぞれの特徴とともに、作業内容や作業方法についてご紹介していきましょう。
1種ケレン
1種ケレンとは、研磨剤によってブラスト法を用いて建材の表面を磨き、錆びや古い塗膜を完全に除去してしまうという方法のことを指しています。
4種類あるケレン作業の中で、最も効果が高い方法であると言われており、錆びがかなり進行していて金属に腐食が見られているような場合にはこの方法を採用します。
ブラスト法とは、細かい砂や金属片を使った研磨剤によって、高い圧力で打ち付けて磨いていく方法です。
効果は高いのですが、粉塵が飛び散ることや騒音がうるさいといったデメリットがあるため、戸建住宅で用いることはほとんどなく、道路や橋桁など大きな建造物で行われています。
2種ケレン
2種ケレンとは、錆が生じている面積が30%以上といった深刻な状況において用いられる方法で、ディスクサンダーなどといった電動工具やワイヤーブラシ・サンドペーパーなどの手工具による作業となっています。
1種ケレンとの違いはブラスト法を用いないという点であり、研磨剤を活用せずに、さまざまな工具によって、手作業で錆びや古い塗膜をすべて除去していきます。
職人の手作業での作業になりますから、手間がかかり費用負担が高くなる傾向にあります。
3種ケレン
3種ケレンとは、2種ケレンと同じように電動工具や手工具を用い手作業によって錆びや古い塗膜を除去する方法ですが、錆びている部分のみ除去していきます。
2種ケレンとの大きな違いは、2種ケレンでは錆や古い塗膜をすべて除去し、3種ケレンにおいては、しっかりと密着している塗膜は残し、錆びている塗膜を除去するという点にあります。
しっかりと密着している塗膜のことを『活膜』と呼びますが、それ以外の錆びが発生している面やひび割れが生じている個所、膨れがみられる個所などを『死膜』と呼んで、除去の対象となります。
この除去する面の割合を、『3種A』『3種B』『3種C』の3段階に分けています。
- 3種A:錆びの面積 15~30%、塗膜の異常面積 30%
- 3種B:錆びの面積 5~15%、塗膜異常面積 15~30%
- 3種C:錆びの面積 5%、塗膜異常面積 5~15%
このように除去する綿の割合によって3段階に分けられていますが作業自体は同じ内容となっています。
4種ケレン
4種ケレンとは、錆びや古い塗膜の状態が3種ほど進行しておらず、除去しなければならない面積が5%未満の状態で用いられる作業方法のことを指しています。
作業内容はディスクサンダーなどの電動工具や手工具を活用して手作業によって行われ、壁面に対して目荒らしによって凸凹をつけて、塗料の密着度を高めていきます。
目荒らしとは、金属などツルツルの建材に対して、塗料の定着が良くなるように表面に軽く傷をつける作業のことを指しています。
ケレン作業に用いられる道具
上記の4段階のケレン作業の中で、一般的な外壁塗装で行われるのは3種ケレンがほとんどです。
その中で活用される道具についてご紹介しておきましょう。
3種ケレンにおいては、電動工具特殊工具が用いられることになります。
電動工具には、ディスクサンダーと呼ばれるものが活用されるケースが多く、歯の部分を付け替えて使い方を変えながら作業することが可能です。
ディスクサンダーにもいくつかの種類があり、長方形に削りやすいオービルサンダー、円形に削りやすいランダムアクションサンダーなどといったものがあります。
手工具にもさまざまなものがあり、最も多く活用されているのが『サンドペーパー』です。
手作業で簡単に落とせる塗膜や錆びに活用されるのをはじめとして、表面の仕上げで行われる目荒らしのためにも活用されています。
その他にも、ケレン作業用の『ケレンハンマー』と呼ばれるハンマーによって汚れを一気に削ぎ落とすことや、『スクレパー』と呼ばれる剥離作業に特化した工具を活用することも多くなっています。
外壁塗装でのケレン作業の費用相場
外壁塗装でのケレン作業は、平米によって単価が定められており。作業範囲によって費用が決定することになります。
上記でもご紹介した、4段階のケレン作業での費用相場は次のとおりとなっています。
- 1種ケレン:3,000円~5,000円/㎡
- 2種ケレン:1,000円~2,500円/㎡
- 3種ケレン:500円~1,500円/㎡
- 4種ケレン:200円~500円/㎡
先ほどもお伝えしている通り、戸建て住宅において1種ケレンが採用されるケースはほとんどなく、一般的な外壁塗装においては3種ケレンがほとんどです。
単価としては、上記の通りとなりますが、外壁塗装で行われるケレン作業の費用としては、2万円から5万円程度が目安になると言っていいでしょう。
ただし、金属外壁で広範囲に錆びが生じていれば、10万円以上のコストがかかるようなケースもありますので、早めに外壁塗装に取り組んでおくことが重要です。
まとめ
外壁塗装のケレン作業について、内容や目的、種類、用いられる工具、費用相場なども踏まえながら、詳しくご紹介しました。
ケレン作業とは聞き慣れない言葉ではありますが、下地調整で行われる作業の一つで、その後に行われる塗装作業のために欠かせないものとなっています。
高圧洗浄だけでは落ちなかった古い塗膜や錆びを除去し、さらには塗料がしっかりと定着するように整える作業です。
ディスクサンダーなどの電動工具やサンドペーパーなどの手工具を用いて、手作業によって行われます。
丁寧にケレン作業しておかないと、せっかく新しい塗料を塗装したにも関わらず、すぐに塗膜がはがれ落ちてしまうようなことがありますから、とても重要な作業であると理解しておくようにしましょう。
外壁塗装や屋根塗装を検討しているのであれば、地元で経験豊富な塗装業者に相談すれば、適切なアドバイスを受けることができます。
疑問や質問などございましたら、お気軽に、0120-804-902(8:00~20:00)まで「ホームページ見ました」とお問合せしてください。
津市・松阪市・鈴鹿市・亀山市・名張市・いなべ市を中心に三重県全域が施工範囲です。
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